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Nano (ナノ)の概要
【通貨名】Nano
【通貨コード】NANO
【総発行枚数】133,248,290 枚
Nanoとは
Nanoは、2018年1月31日にRaiBlocks(ライブロックス)からリブランドされた仮想通貨です。
リブランドの理由は2点、『発音しにくい」、『もっとシンプルな名前のほうがいい』という理由でNanoという名前になりました。
Nanoはブロックチェーンの代わりにDAGと呼ばれる理論技術を利用することで、『スケーラビリティが大きい』、『承認時間が短い』、『手数料がかからない』、『維持コストがかからない』といったメリットが生まれています。
DAGとは、もともとは数学のグラフ理論の用語で、「有向非循環グラフ」のことです。
複数方向に展開する情報をモデル化したものなのですが、この理論を既存のブロックチェーン技術の代わりとして扱った仮想通貨はDAG型コインと呼ばれます。
Nanoの他にはIOTAやBytebell、Aidos KuneenなどがDAG型コインです。イーサリアムのGHOSTプロトコルも類似の技術として紹介されることも多いです。
Nanoにおいては、それぞれのアカウントに独自のブロックチェーンを置くことによるブロックラティス構造が採用されています。
トランザクションは各アカウントのチェーンとして、アカウントの所有者が更新します。
これにより他のネットワークの部分とは非同期で、即時的に更新されるアカウントチェーンが実現できます。
具体的には送金のときは、送信側と受信側のそれぞれのアカウントの所有者が署名したブロックによりトランザクションが成立します。
このようなDAG技術により、マイニングなどのコストが必要なくなり、手数料が無料となります。
またこの独自のDAGがスケーラビリティの確保を可能にします。
Nanoの動向
2018年2月9日(現地時間)、Nanoがリブランドしてから10日も経っていない時期に、Nanoにとても大きな事件が発生しました。イタリアのフィレンツェにある仮想通貨取引所のBitGrailがハッキングされてしまい、1700万NANO(当時の価格で約200億円超、Nanoの総数の10%以上)もの不正流出が起こりました。
BitGrailのソフトウェアのバグが流出の原因とされていて、Nanoの技術自体に落ち度はなかったのですがNanoは暴落しました。
この事件によりBitGrail社は仮想通貨の取引を停止し、被害者への全額補償は多額すぎて不可能としてBitGrail社は破綻の申請を行っています。Nanoを投資対象として見た際に、Nanoにネガティブなイメージがついてしまった事件でした。
Nanoの売りはやはり、DAG型コインとしての手数料無料と、高速な取引だと言えるでしょう。最大の魅力はこのシンプルさです。また大きなハッキング事件は発生しましたが、Nanoの技術自体にはまったく問題はありません
。
開発も着々と進められていて、取り扱いのできる取引所も増えています。
日々公開される開発状況の中で話題になったのは、セキュリティを高めるためにシステムの脆弱性を発見したユーザーへ報酬を配る施策です。
Nanoは大企業や業界ではまだあまり採用されているケースが多くはありません。
これは新規の技術を採用していることや、プロジェクトとしてその段階まで進んでいないと判断されていることが原因だと考えられています。仮想通貨が広く使用されるにあたってネックとされるスケーラビリティ問題をどう解決するか、改善していくかということを考えるときに、Nanoが現在行っている開発の試行錯誤が未来のヒントとなることは間違いないでしょう。
Nanoの将来性
Nanoの持つスピードと負荷の軽さは、ネットワークを使った事業を行う多くの企業にとってメリットになります。
DAGの存在が知られていけば、今後大手企業によるNanoの採用が増えるかもしれません。
そうなると当然NANOの価格は高騰し、取引所での売買も活性化するでしょう。
Nanoは非常に優秀な仮想通貨ですが、まだまだ進化できる余地は残されていると思います。
例えばセキュリティ向上のために、Nanoはコードのバグや脆弱性を発見したユーザーに対して報酬を払っています。
開発者が見逃した盲点を補強するためのシステムが作られているので、時間が経つほどセキュリティは高いものになっていくはずです。
他にも軽快なウォレットの配信や、チェーンのサイズを縮小するプロジェクトも行っていくとのことで、送金速度に定評のあるリップルよりも速いスピードを実現すると言われています。